[遠距離集え!恋愛掲示板]
この掲示板には遠距離恋愛をしている人達が集まってコメントしあっているらしい。例えばこんなのがある。岐阜と長野のちょっとした遠距離なのに交通費高いワロタ。や、東京ー大阪の遠距離。都会同士の遠距離!毎日LANOっていうSNSで話してます!など。この距離は遠距離だけど俺達にしてはそこまで。といったところか。おそらく国内のカップルの中で一番の遠距離ではないだろうか…。28にもなって思う。一番楽しい時期なのかもしれないが10年前に比べたら普通の日常。今から10年前。高校生最後の修学旅行の時…。

「はやくこっちきてよー!ほら、ナミ!こっち!」
「ちょっと桜…はやいってぇ!」
私は東條桜。沖縄の高校生。修学旅行で長野にきていて、いつも一緒にいるナミこと七海と一緒に行動している。
「こっちいろいろ売ってるよー!あ、知恵の輪だ!買ってやってみよぉっと!」
「桜、ここまできて知恵の輪?沖縄にだって売ってるしどうせなら…ほら、このありゅぷちゃん?可愛いじゃん!このぬいぐるみ!」
「なーにいってんの?こういう時に頭使わないと!じゃ、早速。」
…って、もうやるんだね。桜ちゃん。
「じゃ、私はあっちみてるから、また後で戻ってくるから絶対離れるなよ!」
「何その私を見下している感じ!いいけど、ぬいぐるみ買いすぎると帰り大変だからね!」
…いや、別にそんなにかわないから。そう思いながら七海は桜の元を離れる。
「さーって、知恵の輪の続きやるかー…って…これ難しくね?」
私が苦戦してる時私の手から知恵の輪を誰かにとられた。
「ちょっとナミ!帰るの早すぎ…って…誰?」
そこにいたのは見たこともない男性だった。彼は私がナミと勘違いしている間に知恵の輪を解いてしまった。
「君…知恵の輪好きなの?」
こっちが聞きたいわ!って思いながら言葉を返した。
「だ…誰ですか??ってか知恵の輪…。」
彼は今気づいたように慌てて私に返した。
「ごめんごめん!直しといた方がいい?」
「いや…いいんだけど。すごいね!あとそのグッズ…」
彼は私の好きなアニメのグッズを持っていた。
「なんか私と気が合うね。知恵の輪とそれと…連絡先…交換しない?」
自分でもびっくりするような質問をしてしまったが彼は首を縦に振ってくれた。彼とわかれた直後ナミが帰ってきた。
「誰あいつ。彼氏ー?」
「いや…全く知らない人…。」
そのまま話は終わり、バスに集合する時間になったので桜と七海はバスへ戻った。桜の心には彼のことが気になりかけていた…。