「なにをそんなに驚いて…」

「いやだって、校長室って
私達なにをやらかしたんですか⁉︎」

桜先生が驚いた顔をする

「やらかしたって…、あはは
あなた達おもしろいわ」

いや、全然面白くない…

「まあ入ってちょうだい
大丈夫よ、安心して!
お説教じゃないから」

にこっと桜先生が笑う

本当に大丈夫なのか…?

とりあえず校長室へ入ることにした

「「「「「失礼します…」」」」」

「おお、よくきたなぁ」

そこにいたのは

ほわわ〜ん、ぽわ〜んって感じのかわいいおじいさん

あ、あれ?こんなひと入学式いたっけ…⁇

「校長だよ、入学式の時は会議が急に入って出
れなかったの。この人結構偉いひとだからさ」

そう言ったのはすらっとした綺麗なお姉さん
眉上の前髪が似合う、クールな顔立ちの人

「あんた自己紹介くらいしなさいよ〜」

「あ、そうだね〜」

さらりと髪がなびいていい匂いがする

「言うの遅くなったけど
武内梅、2年だよ〜
よろしく」

武内?

「ちなみにあれ、お姉ちゃん」

「あれというな、お姉さまとお呼び」

桜先生が梅先輩をどつく
仲良しな姉妹だった

「まあとにかく、校長先生!お話をっ」

「そうじゃなぁ」

ごくり…
みんなの唾を飲み込む音が聞こえる…

やっぱり怒られるのかな…?

「君たち、大学の推薦枠は欲しいかね?」


「「「「「はぁ…?」」」」」

みんなの拍子抜けした声が重なった

大学の推薦枠って…
そりゃぁ…

「「「「「欲しいです!!!」」」」」

そりゃぁ、ねぇ…
欲しいに決まってるでしょ!

「乗り気でよろしい」

みんな苦笑い
でもなんで推薦枠が?

「君たち中学校から成績上位者らしいの」

はぁ

「入試も文句なしの成績じゃったのぉ」

はぁ…

「それと、君たちそれぞれ楽器が弾けるじゃ
ろ?」

「えっ?」

と司

「なんで知って…」

「まあそこは気にせず、なぁ」

校長先生がニコニコ笑いながら言う

「山梨と山岡はギター、須賀と酒井はベース、
秋田はドラムができる。じゃろ?」

「「「「「え、あ。はい」」」」」

ふふふと校長先生が笑ってる…

「うちの学校、生徒の娯楽っていうのかな?そーゆーのの一環で、バンド組んでんのよ」

梅先輩が言う

「このバンドはね、参加とかじゃなくて選抜。
成績上位者、リーダーシップを発揮できる
人で楽器が弾ける人じゃないとダメ」

「つまりあなたたちは選ばれたってことね」

梅先輩がウインクをして言った

「まあ強制じゃないんじゃよ」

「定期テストの成績も落ちたらダメじゃし、そ
のあたりの優遇は効かん。
バンドの引退も入試直前までずっとできんが。
でも大学入試はだいぶ楽だと思うぞ」

「さて、どうするかね?」

いやいやいや、そんな、ねぇ
テストが落ちたらダメって、そんなの…
卒業まで引退できないなんて、そんなの…