3年前、おばあちゃんが死んだ。
悲しかった。
でも、泣かなかった。
だって、その日に死ぬってわかってたから…。
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4年前10月12日。
おばあちゃんの足の親指の爪が紅色になった。
死ぬ合図だ。
紅色の爪になってから生きられる時間はピッタリ1年。
おばあちゃんの爪が紅色になってからちょうど1年後。
3年前10月12日
死んだ。
いつからこんなに親切に寿命を教えてくれるシステムができたのか。私も不思議でならない。
死神と契約しただとか、日本政府がどうのこうのとか噂話は小学生の頃はよくしたけど、今は正直どうでもいい。爪が紅色になった1年後に死ぬ。それだけわかれば十分。
ギネスブックに載っている紅色の爪が現れてから最も長く生きた人の記録が1年と22時間34分16秒。
これを見て思うこと。
ショボイ。
1日もないんだ。
せめて1週間くらい欲しいよ。
お母さんによると爪が紅色になるまでは絶対死なないらしい。
どんなに血まみれでも。
どんなに死にたくても。
どんなに電車に突っこんでも死なないのか。
すげぇ。なんてひねくれたことを考える私。
だから小説なんかで見る殺人とやらのニュースは流れない。流したところで誰も見ないから。
同じく小説でよく見る自殺なんてニュースも見ない。
だってわかってたことでしょ?
一応これは死ぬ前にやりたいことができるようにという気遣いかなにかなんだろう。
まぁ、だからどうということでもないけれど。
