黒い日傘をさした女

俺は煙草に火をつけてスマホを食い入るように見ている由美子に


「小説好きなんですか?」


と聞いた。


「好きじゃなかったら読まないし」


と短い答えが返ってきた。



(邪魔するなって言われた気分だ)


と俺は思って黙って由美子を見ていた。



長いストレートな黒髪を片耳だけにかけていた。



どれくらい時間が経ったのか、由美子は顔をあげて俺を見た。


「面白い」


と一言言って煙草に手を伸ばした。


「本当ですか?」


と俺は嬉しそうに聞いた。



由美子は煙草に火をつけて煙をはいた。


「翼があるのに飛べない天使なんて、想像もつかない」


とニッコリ笑った。