黒い日傘をさした女

俺のライン名は 雅也。


でも由美子の名前は”美蘭”となっていた。



「みらん・・さんですか?」


と俺は聞いた。



「そう、美蘭(みらん)よ」


と彼女は頷いた。


そして


「私の源氏名なの」


と答えた。



(源氏名って、キャバ嬢?)


「何のお仕事してるんですか?」


「ふふ。秘密。ご想像に任せるわ」


と由美子は妖艶に笑った。



俺は考えながら


「これからお仕事?」


と聞いた。



「うーん・・仕事といえば仕事だし、デートとも言える」


と由美子は答えた。



そんな曖昧な言葉で俺を惑わすように微笑む由美子。



(仕事でデートって風俗?)


と俺の頭には浮かんだ。


だって目の前にいる由美子はどう見てもOLには見えない。



「それより雅也の小説読みたい!」


と由美子は今度は無邪気に笑う。



コロコロ変わる由美子に俺は本当に惑わされそうだ。