黒い日傘をさした女

「ねえ、大学生ってどんな事するの?」


と由美子は煙をはいて聞いてきた。



「どんなって、普通に勉強するんですけど」


と俺は答えた。



「学部で違うんでしょ?君は何を勉強してるの?」


と由美子は俺を”きみ”と呼んだ。



「雅也って呼んで下さい。由美子さん」


と俺は訂正するように言った。



由美子は目をパチクリして


「じゃあ雅也。どんな勉強してるの?」


と聞き直してきた。



「俺は文学部です。本は相当読んでます」


と俺は答えた。



「文学部?小説家になるの?」


と由美子は興味を持ったように俺を見た。



「小説は描いてますけど・・とてもそれで食っていけるようなレベルじゃないです」


と俺は答えた。



「でも小説描けるんだ。凄いわあ。どんな小説描くの?」


と由美子の目はキラキラしてきた。



俺はその瞳にうっとりしてきた。


「ファンタジーかなぁ」


と煙草に火をつけた。



「ファンタジー??」


由美子は目を丸くした。



「ええ、架空の世界を描くのが好きで」


と俺が答えると


「ぜひ、読みたい!ライン教えて!!」


と由美子が興奮しながら言った。



この展開には俺も驚いた。


「いいけど・・面白くないですよ?」


と俺は謙遜して言った。