黒い日傘をさした女

俺はスマホを持って、「くく」と笑った。


<了解>


とすぐ送信した。


(さて何たべようかな)


と思っているとスマホが鳴った。



見ると美蘭。


「もしもし」


と俺は平静を装って電話に出た。



『晩御飯どうするの?』


と由美子の明るい声。



「何食べるか迷ってたとこ」



『良かったら一緒に食べない?奢るわ』



「いや今日は俺が出すよ」



『学生には払って貰えないわ。


 それよりネクタイしてきてね』



「ネクタイ?」



『フレンチレストランに行きたいの。


 そこネクタイしてないとダメなの』



「えー高級なとこ?」



『まあそうね。味は保証するわ』



俺はちょっと迷った振りをして



「どこへ行けばいい?」


と聞いた。


『銀座の○○ービルわかる?』



「わかるよ」


『そこの一階のロビーで待ってる』



「わかった。すぐ支度する」


と答えると電話は切れた。



(ふうん・・)



と思いながら俺は着替えた。