「何もしないの?」


と由美子は俺の胸に顔を当てて囁いた。



「して欲しいの?」


と俺も問い返す。



由美子は黙った。



裸の体を俺に預けてきて、俺の腕の中にすっぽりとおさまっている由美子。



抱きたい、と体は勝手に反応してしてしまうが


しちゃいけない、と頭が信号を発している。



今、由美子は俺に気を許しているのだ。


セックスがしたいんじゃない。


人肌が欲しいんだ。


と俺は思った。



だから




黙って由美子の体を優しく抱き続けた。