黒い日傘をさした女

「どんなって、装飾に関するデザインをして飾るの」


と由美子は簡潔に答えた。



「オフィス美蘭って事は経営者?」


と俺は聞いた。



「ええ。小さいけど社長やってるわ」


と由美子は答えた。



「由美子さんはいくつ?本名はどっち?」


と俺は思わず聞いた。



バスローブをまとった由美子は煙草に火をつけて煙をはいた。


「女に歳聞くなんて失礼ね」


と妖艶に微笑んでベッドサイドまで歩いた。


電話に手を伸ばし受話器を耳に当てた。



「シャンパンお願いします」


と言って受話器を置いた。


由美子は煙草を持ったまま窓へと歩いた。



激しく打ちつける雨。


ゴロゴロゴロ・・と音が鳴り始めた。



俺は灰皿を持って由美子の隣に立った。


「ほら、灰こぼすよ」


「ありがとう」


由美子は煙草の灰を灰皿に落とした。



そして細い指に煙草を挟んだまま窓の外を見た。


つられて俺も窓の外を見た。



宝石を散りばめたような輝きに雨が幻想的に映った。


「綺麗だね」


と俺は呟いた。


「え?」


と由美子が俺を見た。


「濡れた夜景だ。神秘的だな」


と窓の外を見ながら俺は答えた。





夜空にピカッと稲妻が光った。


そして ガラガラビッシャーーン!!


と轟音が聞こえた。