黒い日傘をさした女

俺の腕の中で由美子はジッとしていた。


バスローブ越しに感じる柔らかい肉体。


濡れ羽色の黒髪。


シャンプーの匂いが鼻孔をくすぐる。



由美子の顔は俺の胸に収まっているから表情が読めない。


ここまできて拒否はしないだろう。



(由美子はどんなシチュエーションで抱かれたいんだ?)



そんな難題にぶつかり俺は動けなかった。




「雅也・・」


とぽつりと俺の名前を呼んだ。



「。。ん・・?」



「汗くさい!」


と由美子は俺の胸から顔を離した。



俺はビクンと跳ね上がった。



「わ、ごめん!!」



「もう、、雅也もシャワー浴びてきて?」



と由美子は小首を傾げて言った。



その仕草があまりにも愛しくて・・



俺はガバッと抱きつきキスをした。



「んーんーー」


と僅かな抵抗もしながら由美子は反応してきた。


静かに響くリップ音。



俺達は激しくお互いの舌を貪った。



息が苦しくなり一端唇を離した時、チャイムが鳴った。



俺は”欲”から現実に戻された。



由美子はきゅっと俺を押しのけてドアへ向かった。



俺は慌てて窓を見た。



雨が激しく打ち付けていた。