黒い日傘をさした女

隼人は真っすぐ由美子の元へ歩いてきた。


俺は思わず横に退いた。



由美子はゆっくり振り返って


「素敵だった」


と甘ったるい声を出した。


隼人の表情がみるみる変わった。


頬が紅潮してきた。



そんな隼人を満足そうに見てから由美子は


「行きましょう、雅也」


と言った。



隼人はやっと俺の存在に気が付いて怪訝な目で俺を見た。



「え?でも・・」


と俺は由美子と隼人を交互に見た。



「美蘭さんの彼氏?」


と隼人は挑戦的な目で俺を見た。



俺は返答に困って由美子を見た。



「隼人、打ち上げあるんでしょ?またね」


と言ってくるりと背を向けた。



「聞きに来てくれてありがとう!」


と隼人は縋るような顔をして言った。



でも由美子は振り返らずに歩いていく。


俺は慌てて由美子の後を追った。



背中にじりじりと視線を感じた。



嫉妬の目・・




変な優越感が俺の胸に沸いた。