黒い日傘をさした女

俺はシティーホテルを見上げた。


高そうなホテル。


(ここで仕事・・?)


よぎる疑問。


美蘭という源氏名。



俺は日傘を持って引き返した。


帰りの電車の中、俺は由美子にラインを送った。



『日傘預かってるよ』



でも返事は返ってこなかった。




由美子から返事が来たのは数日後。


うだるような暑さの日だった。



『今からあの喫茶店に来れる?』


寝転がってテレビを見ていた俺はスマホを見て起き上がった。


『もう喫茶店にいるの?』


と送った。


『そうよ』


と返ってきた。



なんでもっと早く言わないんだよ、と思いながら


『すぐ行くから』


と送信して急いで服を着替えてアパートを出た。