「あんたなにやってんだよ。その人嫌がってんじゃん」


「あ?」


「へ……」


その男の子は黒髪に、黒縁眼鏡で、背はこの男よりも少し低くて、ブレザーの下にセーターを着ていた。


「何だテメェ?あ゛?」


男は私の手を離して、彼の方へと向き直り、彼の胸ぐらを掴みがかった。


な、なんか……デジャブ???


ど、どどどどうしよう!!!!


私の所為でこの人巻き込まれちゃってるよ!!!!


断って早々に逃げちゃえばよかった!!!


私が1人オロオロとしていたら、男の子がその男の手を捻り、足を払って男を投げ飛ばした。


一瞬の出来事で、その男も私も惚けていた。