麻友とは入学して直に仲良くなり、私達が仲良くしてると、隼人と麻友も自然に仲良くなっていった。


一ヶ月でまさか二人が付き合うなんて予想もつかなかった。
半年が経ったが別れる様子もなく、誰が見てもラブラブなカップルだ。


そんな二人が初めて手を繋いで歩いて帰る姿を見た時は、吐気がした。


一緒に帰りたくないのに毎日誘われて、どうにか理由を作って時間をあけて帰っていた。


今日も二人は当たり前のように手を繋いで歩いている。


何度も麻友の手を斬り刻んでやりたいと思った。


私は適当に会話を流し、駅まで着くと二人と別れて電車に乗って家まで帰った。


私は自分の部屋に行き、制服を脱ぐと部屋着に着替えていつもの様に鏡の前に座った。


二人が付き合いだしてからこの半年、私は毎日鏡の前に座って、鏡に映る私に話しかけるのが日課になっていた。


「どうしてあの女が隼人の隣に居るの?ウゼェんだよっ!死ねばいいのに……あなたもそう思うでしょ?」


私は返事が返ってくる筈のない鏡の中に映る自分に話しかける。


「麻友よりスタイルだって顔だって私の方が断然いいのに何で隼人は麻友なの?ずっと、ずっと、隼人の事だけが好きだったのに……許せない」


私は鏡を見て言った。


「じゃあ殺しちゃいなよ?」


「えっ……」


突然声が聞こえて私は部屋をキョロキョロと見回した。


だが誰も居ないし気のせいだと思ったその時だった。


「フフフッ、ここよ、鏡をみてごらんよ?」


私はゆっくり鏡を見ると、映っているのは自分の姿でいつもと変わらない。


「これでどうかしら?」


そう声が聞こえると手も振っていないのに、鏡の中の私が手を振った。


う、嘘っ!?


私は少し怖くなりながらも、鏡に映る自分の姿を見つめた。