ケーキと秘密の王子様



10分は歩いただろうか
  

もう店はなく、閑静な住宅街が広がっていた


辺りは既に暗闇と同化し、建物はうっすらとしかみることができない


街灯は立ってはいるが、一本一本の感覚が広く、さらに電球が切れかかっており、正直意味がない


リュックだけでは雨をしのぎきれず、髪や服はし絞れそうなくらい水を含んでいる


すると


チリンッ


と鈴の音がした