「チョコとラズベリーのムースケーキで」 かしこまりました。と丁寧にお辞儀をし、メニューを下げる店員さん その店員さんの後ろ姿を羨むようにじっと見つめる彼女の名前は椎名 和葉(シイナ カズハ) 彼女は文武両道を掲げる翠台高校に通っているが、勉強も部活、さらには恋愛もせずひたすらケーキ店でバイトを夢見ていた 分厚い手帳をみて、ため息をつく 「はぁ…、近場のケーキ店なんてなかなかないのに。ここが最後の頼みだったんだけどなぁ」 さらに深いため息をつき、俯いた