「…」
和葉は思わず息をのむ。
それもそのはず。彼女の前にいたのは、長身のイケメンだったから。
しかも和葉好みの。
「おい。人と顔をじろじろと見るな。」
ふんっと顔を背けるイケメン。
「すみませんでしたー」
こいつ、顔は良いけど感じ悪っ。
「あ?閉店時に押しかけたお前みたいなやつに何で普通の客と同じ態度でせっしなきゃいけないんだよ。」
無意識に声に出してたことに気付いた和葉だが、男の態度に苛々し、謝る気持ちは皆無。
むしろ
「さっきからあんたの態度、失礼すぎるんじゃないの!?閉店間際に押し掛けたことは私も悪いけど、女の子にとる態度じゃないのよ!本当有り得ないっ。」
和葉は、かーっと頭に血が上り、店長さんに一礼をし、「飲み物とタオル有り得ないございましたっ」と千円札を机において店を出た。
