甘い恋じゃなかった。





「無理。仕事」



それをバッサリ一刀両断した桐原さん。




「え~!土曜日なのに仕事なの!?」



「当たり前だろ。つーか、愛良」




桐原さんがギロリと横目で愛良さんを見据えて言った。




「土曜日は部活だろうが」



「…やめたって言ったじゃん」



「嘘つけ。お前がバレーボールやめれるわけないだろ」



「う、うるさいな。とにかくやめたの!」



愛良さんが持っていたスプーンを置いて席を立つ。



「おい、愛良―――」




ピシャンッ




桐原さんの声は、愛良さんが勢いよく閉めたドアの音で遮られた。




まだホワイトシチュー半分以上残ってるのに。




「ったく」



桐原さんがため息をつく。



「あのー…愛良さんて、バレーボールやってるんですか?」



「あー、まぁな。アイツの高校はインターハイでいつもベスト8には入る強豪校だし」



「えっ!?すごいじゃないですか!」




私も高校時代はテニス部だったけど、せいぜい県大会止まりだったなぁ。