甘い恋じゃなかった。






何でこんなにしょっぱいの!?いつも通り作ったはずなのに。



ワケが分からず茫然とする私に、愛良さんが



「何が?」



怪訝そうな顔をする。




「このホワイトシチュー、めちゃくちゃしょっぱいよね…?」



「はぁ?何言ってるの?」



そう言いながらホワイトシチューを口に運ぶ愛良さんは、とても無理して食べているようには見えない。



桐原さんも「何言ってんのお前」なんて目で私を見ている。



もう半分ほどそれを平らげている桐原さん。料理にうるさい桐原さんが、こんなにしょっぱいシチューを指摘しない筈がない。




「桐原さん…味覚は大丈夫ですか…?」


「喧嘩売ってんのかお前」



物凄い目で睨まれた。




となると、考えられるのは私のホワイトシチューだけしょっぱいか、私の味覚がおかしいかのどちらかだ。





そういえば。




そこでハタと思い出す。



風呂を洗い終えて、キッチンに戻ったとき、愛良さん、何かを慌てて隠してなかった?もしかしてその時に塩でも入れたんじゃ…?




「ねー、お兄。次の土曜日どっか遊びに行こうよ」



私の疑惑の視線を事もなげにスルーし、愛良さんが可愛い笑顔で桐原さんに話しかける。