甘い恋じゃなかった。






「お〜」




お腹が空いていたのか、勢いよくシチューをかきこみながら桐原さんが適当な返事をする。



ていうか全部って。
まぁ確かにルーを溶かし入れたのと、盛り付けは愛良さんだけども。それを全部というのか!?


いや、落ち着け。落ち着くのよ明里。




私は大人の余裕でなんとか荒ぶりそうになる心を落ち着ける。




ブーブークッションも、料理を自分で作ったことにするのも、可愛いものだ。そんなに目くじらをたてるようなことでもない。なぜなら私は大人だから。そう、大人だから!




よし。




心を落ち着けることに成功した大人の私は、スプーンを手に取りホワイトシチューを口に運んだ。



口に入れた瞬間、強烈なしょっぱさが広がって…って、



「しょっぱ!?」



思わず叫んでしまった。


談笑していた愛良さんと桐原さんの視線が、私に集中する。