「ここに住むって…無理だろ。学校には間に合っても、始発で出ても部活の朝練には間に合わねーぞ」
冷静にそう言う桐原さんは少し兄っぽかった。
そうだお兄さん!がんばれ!!
私は心の中で全力で応援する。
「それなら大丈夫。もう部活やめたから」
「…は?」
「ということでトイレかりる」
「おいっ…愛良!」
バタン、と勢いよく閉まるリビングのドア。
お兄さん…負けた!?
ショックを受ける私とため息をつく桐原さんの視線がぶつかった。
いやいや一緒に住むとか冗談ですよねだってここもう布団もないし部屋もないし、という私の必死の訴えを感じ取ったのか、桐原さんがじ、と私を見る。
そうですお兄さん!ここに住むのは無理だと言ってください!ついでにあなたも出て行ってください!
フ。
桐原さんが微かに口角を上げて笑った。
…ん?笑っ…?
「ということだから。
よろしく」
そして一方的にそう告げ自身の部屋へ消える。
よろしくって…
「えぇ!?」
どうやら三人暮らしになるらしい。



