甘い恋じゃなかった。





「店長…あれが例のバイトさんですか?」



「そうそう」



「キララ王子って…」



「いやー、ほんと女の子のイケメンレーダーには驚くよね!キララくんがここで働き始めてから、どうやら女の子たちの間で、口コミで広まったらしくてさ!イケメンが働いてる喫茶店って!

僕もビックリしたよ。所詮世の中顔なんだ、ってね!☆」




店長…物凄い爽やかな笑顔でなんだか切ないこと言ってるよ…。




「ま、彼の場合ケーキを作る腕も超一流なんだけどね?
あ、よかったら呼んでみようか?」



「いや、いいですよ(女子の対応に)忙しそうだ…「キララく~ん!」


「だから呼ばなくていいって!!」




そう言いつつ、内心期待していなかったといえば嘘になる。


なんせついたあだ名が“キララ王子”だ。きっとどこぞの少女漫画もビックリなイケメンに違いない。例えるならばそう、三〇翔平のような。彼のような素敵爽やかイケメンに違いない!



そう確信していたのだが。




「はい、何ですか?」




振り向いた“キララ王子”と私の視線がバッチリぶつかりあうこと数秒。




きっ…




「桐原さん!?」





なんとそこにいた“キララ王子”は、いつものより大分身なりがきちんとしている桐原さんだった。



微かに営業スマイルを浮かべていた桐原さんの瞳が、みるみる尖っていく。




「おまっ…なぜここに!?」



「こっちのセリフですよ!」