甘い恋じゃなかった。





「…おい、本当にうまいんだろうな」



カウンターに腰かけた後も、桐原さんは疑念の瞳で私に問いかけてくる。



「あんな得体の知れない青メガネが作ったケーキなんて、俺レベルにうまいとは到底思えないが」



得体の知れない青メガネ…出会って一分も経っていないのに、散々な言われようである。



「店内もガラガラだし」


「いや、本当に店長の腕はいいんですよ!?
ただここ小さいし、立地も目立つ場所じゃないし、隠れ家的な?そこが売りのカフェなんですよ!」


「ふーん…」



どうやら全然納得いっていないようだ。

本当にケーキはおいしいんだけどな…。



「注文決まった?」



水を持ってきてくれた得体の知れない青メガネ…じゃなかった、店長が聞く。



桐原さんはメニューを見る気すら全くなさそうだったので、




「僕的にオススメなのはね、最近はじめたタコ焼き…」

「じゃぁミルフィーユとダージリン、二つずつで!」




私のオススメを頼むことにした。(店長のオススメは無視した)