「え、どうしてここに…」
「怪我ないか?」
「え、ないです、けど…」
「あそ」
ホ、と息を吐いた桐原さんが「下がってろ」と私を自分の後ろに追いやった。
そこで私ははじめて気づく。え、桐原さん今私のこと―――
「キララ王子!今この女のこと俺の女って…!」
「だよね!?やっぱりそう言ったよね!?」
空耳じゃなかった~!
巻毛女の言葉に思わず反応した私を、桐原さんが振り返りジットリと睨みつける。
「あ、すみません…」
小さくなると、桐原さんは「はぁぁぁぁ~…」と聞いたことのないような深いため息をつきワタル達に向きなおった。
「…おいそこの銀髪、つーか白髪野郎」
「…あ?テメ…うっ!!!」
瞬間、思い切りワタルの股間を蹴り上げる!
股間を抑えてうずくまったワタルを、桐原さんが冷たい視線で見下ろした。
「コイツを殴る前でよかったな、それくらいで済んで」
もし私を殴っていたらどうするつもりだったんだろう…。
「き、キララ王子!」
ワタルではなく桐原さんに駆け寄る巻毛女。
「どうしてこんな女庇うんですか?キララ王子だったら他にもっと――」
「お前何言ってんの?」
桐原さんがぞっとするような低い声で言った。
う、と思わず後ずさりする巻毛女。
「お前みたいなブスが俺の恋愛に口出ししようなんて一億年はえーんだよ」
「き、キララ王子?いつもとキャラが…」
「いいから散れ、二度とコイツに手ぇ出すな」
いつもの営業スマイルとは180度真逆の黒い表情を浮かべた桐原さんに、巻毛女たちはクルリと踵を返して逃げていった。
立ち去り際に「またお店行きますからねー!」と言い残して…
いや来るんかい。



