「ふーん、すごい美人って聞いてたけど意外と普通だね」
連れてこられたのは近くの公園、の公衆トイレの裏。
遠くからは子供の遊んでいる声が聞こえるけど、ここにはこのギャル達と私以外全く人気はない。
巻毛の女が私を嘗め回すようにジロジロと見る。
…普通で悪かったな、普通で。
「噂では最近入った美人のバイトの女って聞いてたけど。あんたがそれなの?」
…やっぱりお姉ちゃんのこと、そんな風に噂になってたんだ…。ここはうまくお姉ちゃんになりきらなければ。
「…あ、はいまぁ。美人のバイトですね、まさしく」
「自分で言うんじゃねーよ!」
巻毛の女が急に凄んだ声を出す。ヒィー!怖い!この女も絶対年下だけどめっちゃ怖い!
だけど私は必死に勇気を振り絞って言う。
「…こ、こんなところに連れてきて一体何の用事ですか。私一応仕事中なんですけど…」
「心配すんな、ちょっと話したらすぐ解放してやっから」
ニヤニヤと不気味な笑みを浮かべながら近づいてくる巻毛女。…全然心配すんなって雰囲気じゃないんですけど。
「あんた今すぐキララ王子と別れてくんない?」
…やっぱり。そんなことだろうと思った。
「キララ王子はさ、皆のものなんだよね。あんたみたいなブスと釣り合ってないって自分で分かるでしょ?だから…」
「無理です」
は、と巻毛女が驚いたように息をのんだ。だけどすぐに険しい顔つきに変わって、私を睨みつける。
「…はぁ?無理?」
「はい無理です。ていうか桐原さんが皆のものとかそんなの誰が決めたの?桐原さんはアイドルかなんかですか?誰が誰と恋愛しようが自由だと思うけど」



