甘い恋じゃなかった。





「明里」



顔を洗おうと洗面所に向かった私をお姉ちゃんが呼び止める。



「…何」


「あの、暫く泊めてくれないかな…?その…行くところなくて」


「…いつ帰るの?ニューヨークには」


「決めてない」


「…そう」



そもそも離婚ってどういうことなの。桐原さんとの結婚式をバックれてまで追いかけていった相手と離婚って…



いや、もういいや。今日はもう、考えるのはやめよう。



考えれば考えるほど、話を聞けば聞くほどなぜか疑問は増える一方だ。



疲労が限界にきているのを感じ、私は



「…布団出すから、まってて」



それだけ言って、暫し洗面所にこもった。