甘い恋じゃなかった。





そしてそれからもいくつかのアトラクションに乗り、桐原さんが目に見えてヘロヘロになった頃には陽もすっかり落ちて、ところどころに飾られたイルミネーションが夜の遊園地を彩り始めた。


最後に私たちが乗り込んだのは、観覧車。


向かい合うように座って、夜の遊園地を空から眺める。


「うわぁ…綺麗」

「そうだな」


ほう、とため息を漏らした私に、桐原さんも頷いた。


「桐原さん観覧車は怖くないんですか?」

「怖くねぇよ。ただ高いだけだろ」

「なるほど」


落ちたり回ったりしなければ大丈夫なのか。


納得した私だが、桐原さんはなんだか不機嫌そうだ。眉間に皺が寄っている。


「え、どうしたんですか」

「…別に」

「なんか怒ってます?」

「怒ってねぇよ」

「あ、もしかして絶叫系苦手なのがバレて落ち込んでるんですか?だから桐原さん遊園地行くの渋ってたんですね~」

「うるせえ!」


吠える桐原さん。

だけど全く怖くない。むしろ可愛い。


ニヤニヤしている私がさらに癪に障ったのだろうか。桐原さんが急に、グイ、と私の腕をつかんで引き寄せた。