甘い恋じゃなかった。




「でもそんな自分が怖かった。
俺は栞里を追いかけてここまで来たはずなのに、いつの間にか、お前に惹かれてるんじゃないかって。

今度はお前との、この関係も壊れるんじゃないかって…怖かった」



…知らなかった。


桐原さんがそんなことを考えてたなんて。



「だから逃げたんだ。
近づき過ぎる前に離れようと思った。

それなのにお前は店来くるし、挙げ句の果てに告白とか…すげーイライラしたわ」



イライラされていたのか…。



どよんと暗くなった私に桐原さんがフ、と少し笑った。性格悪い。



「でもそれからパッタリとお前が店来なくなってから、なんでかもっとイライラした。

お前に告白されて、嬉しいとか思ってる自分に気付いた。

俺がまた誰かと一緒にいる資格なんてないと思ってたけど…」




桐原さんがギュ、と私の手を強く握る。そして強く、熱のこもった瞳で私を見つめた。



「俺はお前と一緒にいたい。お前が欲しい。
やっぱりこの気持ちもう止めらんねーわ」