甘い恋じゃなかった。





「何でって…」


そんなの決まっている。


あんな突然告白をして、ハグまでして、気まず過ぎるからに決まってるだろうが!


そんな分かりきったことを改めて聞きに来たのだろうか、この男は。



桐原さんはじ、と私を見つめている。やけに真剣な瞳で。



「…用事がそれだけなら、私もう帰りますね」



このまま彼と対峙していると余計なことまで口走ってしまいそうだ。



桐原さんの前を通り過ぎてマンションの中に入ろうとすると、



「言い逃げかよ」



桐原さん声が私の足を止めた。



「自分は言いたいこと言って、それで終わりかよ」



…告白のことを、言っているんだろうか。



「自分の意見を言った後は人の意見も聞きましょうって、小学校で教わらなかったのか?」



つまり桐原さんは、告白の返事を聞きに来いと言っているらしい。


フられることが分かっていて、聞きに来いと。



…とんだ鬼畜だよこの人ー!