甘い恋じゃなかった。




「っと…これでいい?」

少し手間取ったが、どうにか目的の資料を見つけることができた。

「おーサンキュ!」

「じゃぁ私先仕事戻るね」


今日は朝からボーッとしてしまっていたせいで、仕事が溜まっている。早く戻って請求書の入力の続きを…


「っ待てよ」


グイとドアに手をかけようとしたとき、もう片方の手首を牛奥につかまれた。
振り向くと、妙に深刻そうな表情の牛奥がいる。


「え?何?」

「え?何?って…お前…まさか忘れてんじゃないだろうな?」

「忘れてる?何を?」

「何って、おま…返事だよ!俺の告白の!」


…あ。

…わ、忘れてた…。


ガクッと勢いよくうなだれる牛奥。


「マジかよ…俺の決死の告白が…」

「…や、違う!ごめん、その、考えてた!考えてたんだけど、最近ちょっと…色々、あって」


正直桐原さんのことで、頭がいっぱいだった。