甘い恋じゃなかった。







「うわぁぁぁぁぁ〜!!!」



翌朝、男の悲鳴で目が覚めた。あ、私あの後ちゃんと眠れたんだ。


のそっと上半身を起こす。



…何事?




「な、何できりっ、桐原さんがここに!?!?」



恐る恐る部屋から出ると、ソファの上でなぜか立ち上がっている牛奥と、床に置かれた布団の上で鬱陶しそうに顔をしかめる桐原さんがいた。


「うるっせーな朝っぱらから…」


「え!?だって!?え!?」



頭を抱えた牛奥が、私に気付いた。



「えぇ!?」



どうやら更に混乱したようである。柔らかそうな茶色のくせっ毛をグチャグチャにする牛奥。



「昨日のこと全く覚えてない?
莉央と三人で飲んでたんだけどアンタが潰れて、タクシーの中で吐きそうになってたから仕方なくうちに連れてきたの」


「このゲロ野郎が…」




桐原さんも改めて昨夜のことを思い出したようである。
不愉快そうに、ボソッとそう呟いた。