甘い恋じゃなかった。






缶ビールを机に置いた桐原さんが、今度はコンビニ袋の中をガサゴソとあさり始める。



出てきたのは沢山のコンビニスイーツだった。クレープにシュークリーム、ティラミスにマカロン…




「珍しいですね。桐原さんがコンビニスイーツ買ってくるなんて」



いつも、コンビニスイーツを買ってきては、おいし〜い!と頬張る私を見て、ケ、と軽蔑したような瞳を向けてきていたというのに。




「コンビニスイーツなんて俺からしたら10円の駄菓子みたいなもんだ、なんて言ってたくせに…」


「いや言ってねーよ。勝手にデマを流すな」



「言ってましたよ。目が」



「…お前があんまり美味そうなバカみたいな顔で食うから、ちょっと買ってみようかと思っただけだ」



「…へーえ」



どうでもよさそうな返事をしつつ、なぜだか少し嬉しかった。



桐原さんの隣に腰をおろして、コンビニスイーツたちを眺める。




「わぁ!これ新商品ですね!?もう秋のラインナップなんですね〜」


「…食えば。好きなもん」


「えっ、いいんですか!?」




カバッと勢いよく顔をあげると、ふ、と桐原さんが笑みを零した。




「頭悪そうな顔…」


「はい!?」




全く、相変わらず口が悪い男だ。