甘い恋じゃなかった。






それからは二人でガムシャラに取り組んだ。



プレゼンのデータは、全部頭の中にある。でもそれをもう一度形にするのは至難の業で、何度も諦めそうになった。でも、隣で俺より必死に作業している小鳥遊を見て、とてもそんなことは言えないと思った。



諦めるのはまだ先でいい。やり切った、その先で。




「牛奥!」



暫くして。ポン、と肩を叩かれ振り向くと、コンビニ袋をぶら下げた小鳥遊がいた。




「ちょっと休憩しよ!」


「え、小鳥遊、いつの間にコンビニ」



作業に熱中しすぎて全然気づかなかった。



二人で小鳥遊が買ってきてくれた差し入れを食べ、また作業に戻る。







すっかり外が明るくなった午前七時。





「終わった~…!」




なんとか、終わった。



奇跡だ…!




なんだか涙が出そうだった。



達成感で体中が満ち溢れている。




「お疲れ様~!ほら、よかったでしょ。諦めなくて」




隣では、目の下にクマを作った小鳥遊がニッと笑っていた。