甘い恋じゃなかった。







そして、気付いたら朝になっていた。





昨夜より大分顔色も良くなった桐原さんは、まるで天使のような寝顔で眠っている。



とても昨日血走った目で私に自販機ドンをかましてきた男と同一人物とは思えない。



私はここぞとばかりに、彼の寝顔を観察する。





長い睫毛に、白くきめ細やかな肌。


スッと通った鼻筋に、形の良い唇。




昨夜はあまりの恐怖にそんなことを思う余裕はなかったけれど、桐原さんは実はなかなかのイケメンだった。




女装とかしたらすっごい可愛くなりそう…




って。




そこでハタと気付く。
いつの間にか、彼の寝顔観察に夢中になりすぎて信じられない距離まで詰め寄っていた。




「うわぁっ!!」




自ら近付いておきながら思わず飛びのく。



なんか私、寝込み襲ってるみたいじゃない!?