甘い恋じゃなかった。





だが桐原さんはそんな二人にまるで気づいていないかのように、スマホをいじっている。



「ちょっと?無視ー?」



女の子の一人が堪りかねたようにそう言うと、桐原さんはやっとスマホから顔を上げて、



「俺知らない女とは遊ばないから。人待ってるし、さっさとどっか行ってくんない?」



それだけ言って、またスマホに視線を落とした。


つ、冷た…。




女の子は眉を吊り上げると「行こ!」と言ってカラカラ下駄を鳴らして歩いていった。


今の子たち結構可愛かったのになぁ、まさか桐原さんがあんなに冷たく撃退するとは…。



「…何だよ、いたのかよ」



私に気づいた桐原さんが近付いてくる。



「俺のどっち」


「えっと、青い方」


「ん」



私の手からブルーハワイのかき氷を受け取る桐原さん。



「ていうか良かったんですか?今の子たち」


「はぁ?何が」


「あんなに冷たい言い方しなくても」


「別に、興味ないから」



かき氷を一口食べた桐原さんが、冷た、と顔をしかめた。