甘い恋じゃなかった。





「師匠。こないだのロールケーキといい、コイツに甘すぎませんか?」



渋い顔で文句を言う桐原さん。


そんな桐原さんの肩を、ポンと店長が叩いた。




「キララくん、我々もサービス業。お客様のご要望には出来る限り答えないとね」



「でも…」



「これ、師匠命令」




う、と桐原さんが言葉に詰まる。




「…お兄、無理しないでも「分かりました。作ります」



愛良ちゃんの言葉を遮るように、渋々頷いた桐原さんがクルリと私に向き直る。



「で、何が食べたいんだよ?」



「おススメで!」



「ったく、面倒くせぇな!」




悪態をつきながら、桐原さんは厨房へ入っていった。