甘い恋じゃなかった。




「えー!?もう桐原さんのケーキ十分おいしいじゃないですか!」



私が言うと店長が悩ましげにメガネを押し上げた。



「そうなんだよ。僕もそう言ってるんだけど、キララくんが頑なに拒否してね」


「当たり前じゃないですか!自分、まだここに来て僅かですし。まだまだ師匠から沢山学ばせて頂かないと」



真摯な瞳でそう言う桐原さんは、一見物凄く好青年に見える。一見、ね。



「えー!?じゃぁ桐原さんのケーキ食べたい私はどうすればいいんですか!?」


「知らねーよ騒ぐな」


「桐原さんのケーキ食べたい食べたい食べたいー!」


「だから騒ぐなって!」



声を苛立たせる桐原さんに、見かねた店長が間に入ってきてくれた。



「大事な常連さんがそう言うのなら仕方ない…キララくん、なんか作ってあげて☆」



やったー!店長大好き!!