「.....らっ、さくら...。」 聞きなれた声が上から降ってきて、目を覚ました。 目の前には、あたしの顔をじっと見つめる亮樹兄ちゃん。 「亮樹兄ちゃん。...なに?」 あたし、めっちゃ眠いんだけど。 窓の外は、もう真っ暗だし...。 「なにって、回診ですー。ほら、ちゃっちゃと起きて。」 亮樹兄ちゃんは、聴診器を耳にかけながら言う。 ......これからは、ずっとお医者さんの亮樹兄ちゃんしか見れないのかな...。なんかやだ。 あたしがそんなことを思っているとは露知らず、診察を始める。