カバンを持って、コートを羽織って玄関を出た。 「亮樹兄ちゃん行くよ!」 「はいはいそんなに慌てないの。」 新しい制服で、外の風にふれて……気持ちいい。 こんなの久々だ。 「亮樹兄ちゃん。」 「んーどうした?」 「あたし、ほんとに高校生なんだね。」 顔がにやけちゃう。 亮樹兄ちゃんも笑った。 「そーだな。遅れた分、いっぱい楽しんで取り戻してこい!」 「はーいっ!」