" 桜ちゃんが絶対に治りますように!

 これで千羽!くっつけてね!

 プレイルームのおもちゃ箱の引き出し。"








なに、これ?これで千羽って…!



もしかして。



あたしはベッドから降りて、とにかく歩いた。


ふらふらする足に力を入れて、プレイルームへと急いだ。
 


スリッパなんか、履くのも忘れて、裸足で歩いた。




「はぁっ…はぁっ……」




なんとかたどり着くと、もうヘトヘトだった。



おもちゃ箱の…引き出し…。



ゆっくり引くと、そこには色とりどりと、きれいな鶴がつながっていた。



何束も、何束も。





「ひっく……っ…晴、ちゃんっ……!」




千羽鶴、だ………!



あたしは、その千羽鶴をぎゅっと胸に抱いた。


もう、我慢なんてきかなかった。





「っ…!…っ!うわぁぁんっ!」




あふれる涙が、小さいたくさんの鶴の羽に落ちていった。