「晴!!」 後ろから突然に聞こえてきた、女の人の声。 その人は、すぐに晴ちゃんのそばに駆け寄った。 すると茜さんは、涙をぬぐった。 「晴ちゃんのお母さんですか…?」 女の人は、泣きながらうなずいた。 晴ちゃんの、お母さん……。 あたしは、名残惜しかったけど、点滴を引きずり、車イスをこいで部屋を出た。