あたしの胸の中でぐるぐるとめぐる、モヤモヤとした気持ち。それは、いっそうあたしを苦しめる。


あのときの亮樹兄ちゃんの顔を忘れられない。


...しばらく走り続けただろうか。もうあたりは所々にかる電灯の灯だけが頼り。


ドンッ


そのとき、何かにぶつかった。その瞬間、思い出した。いまは、夜なんだ。しかも冬で寒い。..危ないひとにぶつかってたら、どうしよう。


「... 桜か?」