「......そう。でもさ、」

「だからいいのっ!もうやだ!また辛い思いしなきゃいけないの?自分だって大変だし、まわりも迷惑するし。亮樹兄ちゃんも、ほんとの家族じゃないんだから!」


勢いでそのまま言ってしまった。


あとになって、あわてて口を抑えてももう遅いわけで。


あたしは亮樹兄ちゃんの顔を見ると、悲しいような無表情のような表情であたしを見つめていた。


「っ...。」


「さく... 」

思わず、玄関まで走って家を出てしまったあたし。ひたすら走り続けた。夜も遅いということも関係なく。


体に打ちつけられる冷たい風が痛い。


「はあっ、はぁ.....。」