その言葉を聞いた瞬間、もうだめだった。




俺は病室を出ると、ドアの前でしゃがみこんだ。





「っ……うっ……」





ひとつ、またひとつと涙が頬をつたった。



もう我慢できなくて。



場所を構わず泣いた。





あんなに成長したんだ。



あんなに強くなったんだ。




病気を抱えながら、ここまで闘ってきて、ここまでにも大きく成長した。




そのことが、うれしかった。









そして、この成長をもうちゃんと見届けれなくなるかもしれないと思うと、




あの子の可能性を、成長を、




もう見れなくなるかもしれないと思うと、





また悲しくなって、涙がこぼれた。