〜桜side〜
ボーッと、走馬灯のように駆け巡る映像を見つめていた。
亮樹兄ちゃんと何度ケンカして、言い合って……翔や実優にどんだけ励まされて、茜さんにどれだけ支えられて来たんだろう。
たくさん治療して、苦しい思いして。
ときには、もう全てが嫌になって、消えたいって本気で思ったこともあったよ。
周りに迷惑ばっかりかけて、自分もくるしいんじゃ、生きてても意味なんかないって。
そう。本気でそう思った。
『楽になれるかなって……!』
『つらい、苦しい、怖い……』
移植したときだって、辛かった。
治す前に、体が壊れちゃうんじゃないかってくらい。
けど、あたしは打ち勝った。
目の前に、カッターナイフを持つあたしの映像。姿。
あんなときがあったな……って見られるほど、まだ心は回復してない。
あの時の気持ちを思い出せば、また本当にここにあたしがいてもいいのかって不安になる。
『俺は、桜から絶対に離れない。ずっと一緒だからな。』
ほら、こうやって言ってくれるだけで、心が少しだけ軽くなった。あったかくなった。


