「大丈夫なわけ…ねーだろ。
あんな姿で、あんなに苦しむ桜を見てんだぞ?
大丈夫なわけ…苦しくないわけ…ねぇよ…」
大粒の涙が、翔の目からこぼれた。
次々と出てくる。
強がって、ゴシゴシと乱暴に涙を拭く。
くちびるを噛みしめて。
「けど…!俺は桜を信じてるんだよ…
絶対に元気になるって。
あいつ、昔からどんなに失敗しても、ヘコんでも必ず最後は笑ってたから……」
実優がうつむく。
握りこぶしを、さらにぎゅっとしめる。
「だから俺は信じる。
誰になにを言われようと、今までずっと桜のこと見てきたのは、俺だから。」
涙声でも、声を大にしてきっぱりと言い切った。
「桜なら、きっと治るんだよ!
奇跡だって起こせるんだよ!」
「…翔。」
肩を震わせて目を赤くしてる、
いつもと全く違う翔を目の当たりにして、実優はさらに涙を流す。
「翔……実優ちゃん…」
後ろから聞こえたのは、ふたりの声を聞き、探しに来た亮樹だった。


