しかたなく、翔は実優の背中をさすった。
「翔は…苦しくないのッ?!
桜があんな姿で…それにっ………
翔は、桜が好きなんじゃないの?!」
ドクっと胸の奥に響く。
突き刺さるような衝撃。
「なら、なんでそんなに余裕そうなの?!
桜がどうなってもいいの?苦しくならないの…!」
その言葉に、翔の肩が震える。
「…わけねーだろ。」
小さい声で、ポツリとつぶやいた。
それは、泣きわめいている実優に聞こえるはずもなく。
「桜のこと好きならっ…なんでそんなに冷静になれるのよ!?私はっ…」
「んなわけねーだろ!!?」
翔の荒ぶった声が待合室に響いた。
一瞬にして、周りの目がこちらに向く。
ひしひしとあびる視線なんて、ふたりに気にする余裕はない。
普段は冷静な翔から聞けないくらいの大声で、実優はびっくりして泣き止む。


