「あとの検査はお願いね。」



「はい、わかりました!」




ストレッチャーで患者さんが運ばれて行くのを見送ると、処置室を出た。



苦しそうな顔をしてるのを見ると、こっちまで苦しくなる。



死のうとしたなんて、よっぽどだ。




何があったのか…自分で耐えられなくなったとき、周りの人はなにをしてたんだ。



ひとりで抱え込んでちゃ、いつまでたっても解決策なんか見つからないのにな。




何があっても、死のうとしちゃだめだよな、絶対に。




桜みたいに、必死に生きようと自分の命と闘ってる人もいるのに…。





ため息をすると、病室に向かった。



「桜のとこ行かなきゃ…」





走って、桜のとこへ急いだ。