「桜が小さかったときの...小学生のとき、入院したの覚えてるよね?」 .....忘れるはずがない。あんな辛くて怖いこと。 耳をふさぐように伸ばしそうな手を必死で おさえる。 「この前の検査でまたその病気が、桜の体の中にできてるってことがわかったの。」 体はコクってうなずいてるけど、気持ちは反対。 ......夢じゃないの?こんなの夢がいい。 必死に頭のなかで自分と戦いながら、亮樹兄ちゃんの話を聞いていく。