「そっか。体調は…いつも通り?変わったところとか、すごくキツかったりしない?」
あたしはうなずいた。
亮樹兄ちゃんはマスクをしていて、あたしに近づくとカーテンごしにしゃべった。
「あっ、コップの水減ってないじゃん。ちゃんと水分とらなきゃ。」
そう言って、ストローのついたコップをあたしの目の前に置く。
でも、あたしは顔をそらした。
「いらない。水やだ。ジュースがいいもん。」
いつもは言わないことでも、こう弱ってると自然と口から出てしまう。
亮樹兄ちゃんは笑った。
「ったく…しょうがないな。
このコップの水を全部飲み終わったら、リンゴジュースならあげるよ。」
そして、なんだかんだ言って、治療中の亮樹兄ちゃんはあたしに甘くなる…
「…うん。」
しぶしぶうなずくと、亮樹兄ちゃんはあたしを抱っこした。
…なんで??
「よし。マスクして〜。これから診察室行って検査とかするからね。」
「また、検査…」
少しだけ亮樹兄ちゃんをにらんで、もう抵抗はしなかった。
だって、暴れる体力もないから。
されるがままだよね。


